世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter three /Ⅷ Alice In Wonderland








「野呂さ……」



とにかく、頭が回らない状況だけど、話がしたい。



その一心で、野呂さんに口を開きかけたところで。



「あー、そうそう。忘れないうちに。瞳子ちゃん、これ」



野呂さんから、俺を遮るように。



さりげなく、空いている方の手で、海老名さんに腕を抑えられた。



「あ、そうでしたね。ありがとうございます」



そう言って、当然のように、野呂さんが受け取ったのは。



「…………」



部屋の鍵?



俺がそのようすを凝視していることに、気づいてるはずなのに。



絶対、わざと涼しい表情で無視してる、海老名さん。

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