世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter three /Ⅹ 夜想









「保科。おい……ほ・し・な!」



「え?あ」



耳元で名前を呼ばれて、我に返った。



小野の声。



そうだ、練習中だっけ。



結城も、あきれた顔で、こっちを見てる。



「悪い。ちょっと、考えごとしてた。次、何やる?」



体裁をつくろうために、チューニングでもしようとしたら。



「終わりだよ、もう」



教室の時計を指差して、小野が笑う。



「ああ……」



苦笑いするしかない。



ベーアンの音量を下げて、電源を切った。

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