世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter four /Ⅲ 嫌いになれない









「海老名さん。今日は、よろしくお願いします」



もうすぐ、正午。



改札から出てきた海老名さんに、頭を下げると。



「ああ、瞳子ちゃん。早いね」



以前の印象どおりの笑顔で応えてもらえて、ほっとする。



「あ、こっちね」



「はい」



手帳に、目印になる建物をメモしながら、海老名さんについていく。



「えっと、鍵はこれで……」



「そうそう」



着いたのは、古い建物の狭い階段を上がったところにある、小さなお店。



CDや古いレコード、変わった雑貨などが、ぎっしりとディスプレイされていた。

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