世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter four /Ⅳ 再会







「結……」



アルバイト先のレンタルショップから出てきた、結城くんに声をかけようとして、思い留まった。



わたしよりも先に、結城くんの方へ駆け寄っていった女の子がいたから。



…………。



同じ歳くらい、かな。



結城くんに、自分の連絡先を渡そうとしているみたい。



すごく、綺麗な……。



「行こう、瞳子。ありがとう、来てくれて」



「結城くん」



うつむいて、その場に立っていたら。



数十秒後には、わたしの目の前に、結城くんがいた。



「えっと……」



「たまに来る、ただの客。何の関係もない」



「あ……うん」



さっきの女の子から、厳しい視線を感じる。



むしろ、そんな女の子に対する嫌悪の表情を浮かべて。



何のためらいもなく、わたしの手を取る、結城くん。

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