世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter four /Ⅶ ただひとつ、望むこと









「本当に、申し訳ありませんでした。わたしのせいで、いろいろな誤解を招いて、ご心配かけてしまったようで……」



「とんでもない。保護者のわたしたちの出来が悪いばかりに……瞳子ちゃんがお世話になって、感謝の言葉しかありません」



後日、約束どおり。



改めて、日菜さんと田村家を訪問して、おばさんと日菜さんを引き合わせていた。



「その後は、緑くんからも連絡をもらって、安心できたし……とにかく、直接お礼を伝える機会だけ、早く作りたいと思っていて」



日菜さんの正面で、おばさんが姿勢を正す。



「瞳子ちゃんのこと、長い間支えてくださって、ありがとうございました」



「そんな」



恐縮しているようすで、大きく首を振る、日菜さん。

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