世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter four /Ⅷ 甦る悪夢と思い出せない記憶









「2220円のおつりです。ありがとうございました」



だいぶ、CDショップの仕事にも慣れた。



いつのまにか、緊張しないで、接客できるようになったし。



「…………」



お客さんが店を出たのを確認して、ため息をつく。



結局。



わかったのは、関口さんという女の子が、結城くんや保科くんと同じ中学校だったということだけ。



結城くんの口から、それ以上のことは聞けなかった。



だから、なおさら、いろいろなことを想像してしまう。



昔、結城くんが好きだった人だとか、つき合ったこともあるとか。



そもそも、保科くんとは、どういう関係なんだろう?



昨日の雰囲気だと……。



「すみません。これ、お願いします」



「あ、はい……!」



いけない。



仕事中なのに、ぼんやりしちゃった。

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