ZERO-黒き羽を身に纏う死神-【完】

11.恐怖

この街に来て、早くも3年。

ZEROは、あっという間に真っ白な世界へと変わった。

もともと白黒な街だけど、雪が積もったことにより、黒が薄れ、白で埋め尽くされた。

道路に積もった雪には、無数の足跡が残っていた。

俺は、マフラーで口元を隠し、グレーのコートを羽織り手袋した手を、コートのポケットに入れた。
そして、コンビニへ立ち寄ると、あいつと偶然にも出会ってしまったんだ。

「あら、これはこれは偶然ですねぇ。んふふふふ。」

隣には、あの、不気味な笑みを浮かべてるあいつだった。
俺の心臓を頂くとか言っていたあいつ…。

冬だというのに、こいつは服1枚に白いジャケットしか着ていなかった。

マッシュルームヘアのこいつは、前髪が長いせいで瞳が見えない。

「そういえば、あの日から1度もお会いできずにいましたからねぇ。またお会いできて光栄です。」

不気味な笑みを浮かべたこの人はそう言うと、俺に手を差し出した。

なんだか気味が悪くて、俺はその手を無視し、レジへと行く。

「あ〜無視ですかぁ。私の手、汚くないんですけどねぇ。」

この男、前髪で瞳が隠れているせいか、なんか気味が悪い。いや、存在自体が……。

どんな瞳で俺を見てる?

「用件は?」

俺の問いにこの男は、

「1度、私とお茶して頂けませんか?」

そう答えた。

また、それか。

断れば、"心臓を頂く"とか言うんでしょ?

この人の表情はわからないけど、口元は笑っていた。


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