ZERO-黒き羽を身に纏う死神-【完】

12.外

その日の夜中、目が覚め起き上がると、スカイは和菓子を食べていた。

「スカイも眠れないの?」

「うん。あのさぁ死神様、本当にここを出るの?」

スカイは、なんだか悲しそうな瞳で俺を見て言ったんだ。

「…それしか方法がない。」

俺は俯き言う。

するとスカイは、

「ここから出るってことはだよ?あの子が唯一いたこの場所を捨てるってことだよ?もちろん、僕だって外に行きたいよ。だけど、唯一、あの子を感じられる場所はここしかないから。だから死神様は、ずっとここに居たんじゃないの?」

そう言うんだ。

あの子…雪代さんと3年前の冬に、1ヶ月ちょっとだったけど、この地下で一緒に過ごした。

俺は、商品として売られそうになり逃げていた彼女を助けた。

それから、俺とスカイ、そして彼女の3人で、この地下で一緒に過ごした。

彼女がこの街で、そしてこの地下で俺らと一緒に過ごしたという証、そして彼女が生きていたという証は、形として残ってないと思っていた。

だけど、それは違ったんだ。

ここが、今俺らがいるこの地下自体が、彼女が生きていた証。

ここにいれば、彼女を近くに感じていられると思ったからだろう、俺はこの場所から離れなかった。

彼女が生きたという証は、確かに形となって存在してる。

この街を出るということは、彼女と一緒に過ごしたこの地下に、もう2度と戻らないということになる…。

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