虚上の迷宮

5章 料理人は毒を盛り、


ハリソンは はは、と小さくひきつった笑いをして見せた。

食卓にあるのは丸パンが二つずつ、ベーコンエッグに、野菜サラダ。

すべてこの家にあったものを勝手に頂戴したものだった。

朝食としてはまずまずの献立だろう。

が、見映えはあまりよくなかった。

ベーコンは焦げ付き、目玉焼きは表面がでこぼこで月のクレーターのようだし、サラダも…菜っぱとキュウリしか入っていないが…森のようにこんもりしていた。

元々料理はさほど上手くない。

普段は見かけも味も気にせず、むしろ食にありつけたことがありがたいと思って食べてしまうのだが。

食卓を囲む二人は、そうはいかないようだった。

セディンが じぃっ、と出された料理を見つめている。

シフォルスティンに至っては無言のままの冷ややかな目。

もっとも、こちらは料理のせいだけではなかろうが…。

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