虚上の迷宮

1章 そこは罪人の迷宮 /17


断定的に言い切り、砂丘の先を見つめると、セディンが困ったような顔になる。

「行くって、どこへ?」

出てきた声も、当惑していた。

不思議だわ、とシフォルスティンは思う。

一瞬、フリードリヒに似ている、と思った。

なのに今は、どこも似ていない気がする。

少なくともフリードリヒなら、シフォルスティンが何を言おうと平気な顔してすり抜ける気がする。

「――街よ。まずは靴を探すの。
こんなでは、フリードリヒを探そうにも歩いてはいけないわ」

片足分しかない自分の靴を見、言うと、セディンが「街??」と当惑気味の声をあげる。

「牢獄に街なんてあるわけないよ」

「――いいえ、あるわ。
人が住むところには必ず街があるのよ」

と、教育係のじいが言っていた。

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