虚上の迷宮

8章 カウボーイは復讐を果たし、

シフォルスティンとフリードリヒの周りの景色が、パッと様変わる。

現れたのは、荒野だった。

つい先程までいたマイラの姿も、静かな雰囲気の廊下も、ここにはない。

茶色く、あまり草の生えていない地面。

吹き荒ぶ乾いた風──。

シフォルスティンがこの迷宮で訪れたどの場所とも違うもの悲しげな風景が、そこにはあった。

シフォルスティンがフリードリヒの服の裾を握りしめたまま辺りの光景に目を奪われている……と。

「~シフォルスティン、」

いかにも文句を言いたそうな声で、フリードリヒが言ってくる。

シフォルスティンはその言葉にパッとフリードリヒの服から手を離した。

そうして視線を横へ逸らす。

次に言われるだろう言葉は何となく見当がついていた。

きっと『来ない方がいいと言ったはずだ』とか何とか言うのだろう。

案の定、シフォルスティンの予想通りの事をフリードリヒは言う。

「~ハリソンの所には来ない方がいいと言ったのを覚えていないのか?
こんな所に君を連れて来たなんて知れたら、ヘリオスどころか今度はハリソンにまで怒られる」

片眉をあげ、非難混じりにフリードリヒが言ってくる。

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