君だけのデビル2








〝腰抜けたんだろ〟




違う、




〝さっきのキスで〟




違う、




「断じて違う…!」


グイグイと唇と手の甲で拭いながら、反対の手でビニールのついたゴミ箱を取る。





〝色気ねえな〟


〝台無し〟



鮮明に記憶に残る先ほどの出来事。


あの容姿同様に。酷く綺麗な色をした瞳が、真っ直ぐとあたしを見るあの視線が凄く苦手、なのに。



あんな至近距離で、目を向けられてしまえば、そりゃ向かなきゃいけなくなるじゃんか。




唇を拭っていた手で、心無しか火照った頬に触れる。


今、あたしの頬が火照ってしまっているのは、あんな経験を今まであまりしたことがなかったからで。


ただ単に慣れていないだけで、相手が誰であろうと、あんなことをされていればあたしは腰が抜けていたわけで。



断じて、この火照りは、あの悪魔なんかの所為じゃないのだ。



そう、断じて。






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