Invincible~虎に翼~【完】

5 逢いたい理由 /3


心羽は店の鍵を閉め、それからビルを見上げようと視線を移動した。


暗闇に浮かび上がるビルの光は、前面ガラス張りから洩れ、輝くようだ。


その入り口から出てきた人物が、片手をスーツのパンツのポケットに入れたまま歩いてくる。


心羽はそれが確認するまでもなく大虎だとわかった。



「あ……こんばんは」



日中逢ってはいるものの、何て言えばいいのかと口をついた言葉に、大虎は微かに微笑んだ。



「アンタが店閉めるの待ってた」


「……え?あ、そうだったんですね」


「逢いに行くって言ったろ?」


「ふふっ、“いいか?”って聞かれた気がしますけど」


「クククッ、アンタに逢いたいと言われたから、遠慮なく来た」



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