Invincible~虎に翼~【完】




「“一目惚れ”って、信じるか?」



心羽は大虎を見上げたまま思い切り目を見開いた。



「それまで、経験はしたことなかったが、」


「っ、」


「“こういう事”なんだろうな」



独り言のように言うと、大虎はその視線をゆっくり心羽へ移動させた。


驚いたまま固まる心羽は目を開きゆらゆらと瞳を揺らす。


その表情に、やっぱり驚いたかなどと他人事のように思いながら、しかし大虎は言葉を続けた。



「アンタの微笑んだ顔をまた見たくて、気になって、何度もビルから見下ろした。逢えばアンタは俺を見て微笑み、そうやって頬染めて目を潤ます」


「っ、」


「なぁ。……自惚れても、いいか?」


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