Invincible~虎に翼~【完】


「大丈夫か?」



ビルを見上げる心羽に大虎は瞳に心配そうな色を混ぜた。



「大丈夫ですよ?……っていっても、慣れるまではどこだって緊張しちゃいますから」



いつだってどこだって、心羽は慣れたところしか落ち着けない。


それはたとえ一人で森林に入ったとしても。


とはいえこの緊張は単なる場所見知りによるものではないのは、心羽自身が良く分かっている事で。


これから大虎さんの部屋に行くんだ、


そう思い、開いた方の手で胸を押さえた。



「おかえりなさい」


ビルを入った所で声がかかる。


入口すぐの部屋から男が顔を出していた。


それにひらりと手を挙げただけで通り過ぎる大虎へ心羽は身を寄せた。


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