Invincible~虎に翼~【完】

そんな存在が自分の恋人になり、自分の部屋で、自分の手の届く位置にいる。


キスしただけで全部を今すぐにと欲する自分と、大事にしたいと思う自分、時間をかけてじっくり味わいたいと思う自分が頭の中で渦を巻く。


若い頃のしたいからするという欲望だけじゃない自分に、成長したもんだと笑ってしまった。



「大虎さん?」



もう一度呼ばれた名前に、大虎は堪らず心羽のおでこにキスをした。だがやはり今すぐには手は出せない。



「何でもねぇよ」


「……絶対何でもなくなさそうです」


「うん?」


「目で何か訴えてませんでした?」



目で訴えていた?


そんなことは初めて言われた。


どちらかと言うと何を考えているかわからないと言われる。しかし心羽には何か言いたそうだとわかったらしい。


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