Invincible~虎に翼~【完】

「チッ」



大虎は舌打ちすると灰皿にたばこを投げ入れた。


それをライトがそっと押しつぶし火を消す。



「出会ってもいねぇよ」



毎朝送る視線の先は自分のシマ、隣の建物、歩いて1分もかからないそこに居るのに。



「……出会ってもいねぇだと?」


「あぁ。お前が簡単にくっついて抱けだとほざいても、出会ってもいねぇし会話もしたことねぇ。まして向こうだって俺の事は知らねぇだろうが」



大虎はまた一口でグラスをからにすると悩ましげにため息を吐いた。


その仕草は色気を醸し出し、ライトはもちろんブシですら視線を揺らす。


まったく、こんなイイ男が女一人になにを悩むと言うのか。


意を決した銀が口を開いた。


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