Invincible~虎に翼~【完】

2 その始まり /2




次の日。


心羽は黒い傘とノートよりも一回りい小さいサイズの紙袋を手に、ビルを見上げた。


大きく深呼吸して、ドキドキとなる胸を押さえる。


昨日心羽は帰るなり傘を広げ丁寧に干した。


なんたって人様から借りたものだし、何より新品の様だったから。


きちんとして返さなければ、と傘を畳むのすら気を使った。


これを貸してくれた人とは面識がなかったが、隣のビルから出てきたのはわかっているから返しやすい。


そう思い勢いよく出てきたのだが。


……うわぁ、ちょっと緊張する。


ギラリと光るガラス張りに顔が引きつった。


いや、とにかくこれを返さなければ。


心羽は勇気を出して一歩踏み出した。

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