Invincible~虎に翼~【完】

3 ゆっくり流れる /1





「春ちゃんおはよう」



声をかけられ振り返る。


心羽は声の主源太へ挨拶を済ませると、ガラス張りを仰ぎ見るように顔を上げた。


そしてふっと微笑むと掃除道具を片付け、店へと入って行く。


毎朝の習慣、いつも通りのその光景を見下ろす大虎は口元を緩めた。


あれから数日。


また彼女へ会いに行こうかと考える。



「トラちゃん、毎日会いに行こうよー」



そう言ったライトへじろりと視線を動かした。



「……お前人の家に勝手に入ってくるなよ」


「えー?俺とトラちゃんの仲でしょ?それに同じビル内じゃん!同居も一緒!」



にっこり笑って見せたライトへため息を洩らし、大虎は着替えを始める。


ノリの効いたグレーのシャツに袖を通した。

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