アイスクリーム狂詩曲【完】

8 ライバル出現!?

「みのり、今日用事ある?」



昼休みもあと少しという時間、章は頬杖をついた姿勢のままみのりに微笑んだ。



「今日?ううん……あっ!」


「……ん?」


「今日、図書委員の仕事、あったんだ」


「……図書委員?そんなのやってたっけ?」


「うん。E組の人と本棚の整理しなくちゃいけなくて、」



章は申し訳なさそうにしたみのり頭をポンと撫でた。



「待ってていい?」


「うん……でも、いつ終わるかわからないよ?」


「ん。みのりを待つのは苦じゃない」


「ふふっ、ありがとう」



みのりが笑みを漏らすと、章は僅かに頬を染めて目を伏せた。


ヤバい、


みのりがどんどん可愛く見えてしまう。


チャイムが鳴って前を向いてしまったみのりの後ろ姿を見つめた。


相変わらずさらりと長い髪は太陽に反射して輝いて見える。


これまで殆ど授業中寝ている様な章だったが、みのりの後ろの席になってからは寝る事が無くなった。


そして、いつも首から下がっていたヘッドフォンはいつの間にかなくなっていて、それに気がついた教科担任が、おや?と首をかしげた。


午後の授業は静かだ。


悠馬はいつものように机に突っ伏して眠ってしまっていて、みのりはそんな悠馬に内心くすりと笑った。


足をイスの下に移動させた時、ぶつかった感触に肩を揺らした。


同時にさらりと髪が弄ばれ、章の足が自分の方へ投げ出されていたのだとわかる。


ほんのちらりと振り返るようにしたみのりに、章は一瞬フッと微笑むと、長い脚を伸ばし、みのりの足を挟んだ。



「っ!!」



驚いたように背筋を伸ばしたみのりに章が笑いをこらえるように肩を揺らす。


気配に気がついてゆっくり瞼を上げた悠馬は、そんな2人の様子に、


もう、何も言うまい、


心の中でそう思った。

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