僕らアメフト同好会~ちびマネ×女嫌いエースの恋~【完】


「ところで守。お前ちゃんと毎朝走っているか?」

 平川との賭けをしたあの走り込み、守はバックス陣で最下位だった。

 短距離を競う40ヤード走でも、チーム全体の19位。

 男に混ざって走りこみでチーム5位、40ヤード走でも堂々5位の記録を出した平川と比べ、体力もスピードも無さすぎる。

「あー、朝ですか? まぁ、ぼちぼち」

 絶対走ってないな、こいつ。

「お前、このままだと清田主将から他のポジションに回されるぞ」

「えぇっ、マジっすか!?」

「守、朝起きるの苦手なの? 私、毎朝6時に起きて走ってるから、朝電話して起こしてあげようか?」

 焦る守を心配して、平川が声をかける。

 こいつ、やっぱり今も毎朝トレーニングを続けているのか。

「いいよなぁ、香奈は足が速くって。お前の脚力があれば、俺も余裕で活躍できんのになー」

「守は努力が足りないんだよ。お菓子ばっかり食べてゴロゴロしてるじゃない。私にしてみれば男の子ってだけで羨ましいのに」

 冗談めかして言っているが、きっとこれが平川の本音なんだろう。

 さっきDL(ディフェンスライン)になって敵に思いっきり突っ込んで行きたい、と言っていた時も、目が本気だった。

 こんな小さい女にぶつかられるほうの身にもなってみろ、恐ろしい。うっかり跳ね返しただけで大きな怪我をさせそうだ。

「守、お前いっそ平川と一緒にマネージャーでもするか?」

「いっ、いえ! 明日から毎朝必ずランニングします! 誓います!」

「平川、毎朝電話でこいつを叩き起こしてやれ」

「はいっ! 一人だとさぼっちゃいそうだから、一緒に走るようにしますね!」


 平川が嬉しそうに笑って頷いた。




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