僕らアメフト同好会~ちびマネ×女嫌いエースの恋~【完】

☆第2クォーター☆ /第6話 前期試験


 6月末まで続いた春季リーグ戦を4勝2敗というまずまずの成績で終え、季節はいよいよ本格的な夏を迎えた。

 7月といえば、大学生にとっては年に2回の試練の時。

 そう、卒業に必要な単位を得るための、試験期間がやってくるのだ。

 今回はいわゆる前期試験というやつ。私たちアメフト同好会も、他の部と同様に2週間前から試験休みに入る。

 大学の図書館には人が溢れ、学食や喫茶室でも教科書やノートを広げる姿が目につくようになってきた。


 試験開始まで一週間に迫った、ある日のこと。

 部活もないため自分の部屋でまじめに勉強をしていると、テーブルにおいてあった携帯がふいに鳴り出した。

「……やな予感。また泰吉先輩からのパシリの電話だったりして」

 試験前などという些細なことに動じない泰吉先輩からは、この休みに入ってからもすでに何度かパシられている。

 おそるおそる携帯を手に取り、ほっと息を吐き出した。

「もしもし、守?」

『香奈? ……俺……俺っ!』

 すすり泣くような声が聞こえ、勢いよく立ち上がる。

「守どうしたの!? ちょっと大丈夫!? 今どこっ!?」

 財布をひっつかみドアへと走る。

 そんな私の耳に、鼓膜が破れそうなほどの叫びが聞こえてきた。

『香奈ぁ、俺もうダメッ! お願い助けてっ!! 試験が、試験がぁぁー!!』

 ……どうやら、泰吉先輩のパシリなんかよりずっと面倒な事態に、巻き込まれてしまったみたいだ。




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