僕らアメフト同好会~ちびマネ×女嫌いエースの恋~【完】


「――それで、なんで私が自分の履修していない教科の勉強までしなくちゃいけないの?」

 私の隙をついて部屋へと侵入してきた守を前に、もう何度目かの説得を試みる。

 部屋に入るまでのしおらしさはどこへやら。入ってしまえばこっちのものとばかりに教科書と人から貰ったノートのコピーを私に押し付け、守はのんきにお菓子を食べだした。

「んぐっ、だって香奈が助けてくれないと俺、2年生になれないもん」

 口いっぱいに頬張りながら当たり前のように言われ、さすがに腹も立ってきた。

「自分で勉強しなよ! これまで受験勉強してきたんだから、やればできるでしょ?」

「いや俺、S大の付属男子校出身だし、スポーツ推薦で来たから大学受験なんてほとんど関係なかったもん」

「付属高校にはどうやって入ったの?」

「スポーツ推薦枠。名前書いて簡単な問題さえとければ受かるやつ」

 なんてこった。まともに勉強して入った私がバカみたいじゃないか。いや、バカなのはもちろん守の方なんだけど。


「せめて人生一度ぐらいはしっかり勉強してみたら? いい機会じゃない、手伝ってはあげるからさ」

「無理。やり方わかんないし、教科書に書いてあることもさっぱりわかんない。ついでに漢字も読めないし」

 こりゃダメだ。説得するだけ時間の無駄かも。さっさと片付けて追い払わないと、自分の勉強ができなくなっちゃう。

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