僕らアメフト同好会~ちびマネ×女嫌いエースの恋~【完】

☆第4クォーター☆ /第2話 心にしみる優しさ

 バタン、と大きな音を立ててドアが閉まる。


 ――怒らせた。先輩、さっき本気で怒ってた。

 じわ、と涙がにじんできて、まくらに顔を押し付けた。


『大丈夫です、大したことはないんですよ』そう言いたかったのに、体に力が入らない。

 心配をかけるつもりなんてなかったのに。怒らせるつもりも――。



 今日は先輩に会いたくなかった。 

 一人でいっぱい泣いて、心の中で暴れているものを全部洗い流してしまいたかった。


『――香奈ちゃん、俺本気だから。司よりも絶対、大切にしてあげられる自信がある』


 あんなにカッコいい泉川先輩から人生初の告白をされたというのに、考えるのは司先輩のことばかり。

 どうして昔の彼女を見ただけで、こんなにショックを受けているんだろう。

 後輩としてちょっと親しくなれたからって、いつの間にかその先の未来まで勝手に夢見てしまっていたのかな。

 ――バカみたい。そんなことありえないのに。

 先輩が私を一人の女の子として見てくれることなんて、この先も絶対にありえないのに。


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