僕らアメフト同好会~ちびマネ×女嫌いエースの恋~【完】

☆第1クォーター☆ /第5話 これってイジメ?


 私たちがグラウンドに到着すると、どこからか「集合!」という大きな掛け声がかかり、部員たちが練習を中断してどっと主将の元に駆け寄ってきた。

 ――あ、25番の人もいる……。

 さっきの走りが忘れられなくて、つい目で追ってしまう。

 確か、名前は上原司さんって言っていたよね? 背が高いな。清田主将ほどじゃないけど、きっと180センチ近くある。

 ユニフォームから覗く腕や太もも、ふくらはぎの筋肉がハンパじゃない。

 主将の近くで立ち止まった司先輩が、おもむろにかぶっていたヘルメットを取る。

 その顔を見て、思わず息をのんだ。


 ――すごい。なんてカッコいい人なんだろう。


 ハーフっぽくて少しクセのある顔は全体的にとても整っているけれど、一番印象的なのは、その瞳。

 少し色素の薄い茶色の瞳はとても綺麗なのに冷ややかで、簡単には人を寄せ付けないように見える。


 この人、何だか野生の猫科の動物みたい。しなやかに引き締まった体と、冷たく澄んだ瞳――そう、ヒョウとかチーターとか?

 司先輩がヘルメットを取った頭を軽く振り、鬱陶しげに髪をかきあげる。そして自分に向けられた視線に気付いたかのように、ふっと視線をさまよわせた。

 目があった――そう思った次の瞬間、怒りさえ感じる鋭い眼差しに貫かれ、慌てて顔を伏せる。


 今の、絶対睨んでたよね? でも、どうして? ずっと見ていたことに気付かれちゃったのかな……。 


 まだこっちを見ているような気がして、怖くて顔が上げられない。

 なんだかとても悲しくなって、さっきまでのワクワクしていた気持ちもあっという間に消え失せた。


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