僕らアメフト同好会~ちびマネ×女嫌いエースの恋~【完】

☆第2クォーター☆ /第2話  新歓コンパ(2)

 
 ◆◆◆

「香奈のヤツ完全に潰れたか。しかし、今時男の裸見たぐらいであんなに叫びまくる女がいるとは驚きだな」

 泰吉先輩が楽しげに笑う。

「趣味悪いですよ。来年にはこの伝統消えますから」

 もともと酔うと脱ぎたがる先輩がいたからこそ生まれた伝統だ。あの人たちが卒業すれば、もう誰もやろうと思うものはいないだろう。


 トイレに平川を担いでいった育太が一人で戻ってくる。

「司先輩、泰吉先輩、香奈もう限界みたいなんで連れて帰ります」

 小太郎とともに、今年の新入部員の中で最も即戦力になると期待されている男。悪役レスラーのような外見に反し、こいつは本当に仲間の面倒見がいい。


「分かった。気をつけて帰れよ」

 そう言ってタクシー代を渡そうとした時、泰吉先輩が話に割って入ってきた。

「おい、お前はまだ帰るな。平川は司に送らせる」

「は?」

「平川はお前のパートの後輩だろう? リーダーが責任を持つのはあたりまえだ。お前が送っていけ」

 確かに通常はそうだが……そもそも平川をつぶしたのはお前だろうが。

 抗議の視線を向けてみても、泰吉先輩は全く気にするそぶりがない。

 しょうがない。あいつをRBのパートに入れると決めたのは、この俺だ。

「わかりました。――育太、俺が行く。平川はどこだ?」

「トイレの前のベンチです」


 育太とともにトイレへ向かう。平川はベンチに寝そべり、完全に熟睡モードに入っていた。


0
  • しおりをはさむ
  • 187
  • 494
/ 251ページ
このページを編集する