僕らアメフト同好会~ちびマネ×女嫌いエースの恋~【完】

☆第2クォーター☆ /第3話 恐怖の朝part1


 深い、深い海の底からゆっくりと浮かび上がるように、意識が少しずつ引き戻されていく。

 ぱちりと目を開ければそこは見慣れた自分の部屋で、カーテン越しに明るい光が差し込んでいた。


「ふわぁ、よく寝た……」

 ちょっと寝すぎちゃったのかな? 少し体がだるいみたい。

 今何時だろ。もしまだ早い時間なら、いつものジョギングでひと汗かいて――

 むん、と勢いよく起き上がる。体にかけていた布団がずり落ち、しわくちゃになったスーツが目に入った。

「……なにこれ」

 なんでスーツなんかで寝ていたんだろう?

「昨日は……そうだ、新歓コンパがあって……ビールをいっぱい飲まされて……んん?」

 なんだか記憶があやふやで、すっきり思い出すことができない。

 必死に記憶をたどり、やっと断片的に思い出せたのは――真っ白でつややかなお尻、トイレで背中を擦ってくれた大きな手の感触、そしてこの部屋で誰かに話した、幸子の呪い――。

「……大変なことを、しでかしたような気がする」

 ふらりとベッドを降りれば、テーブルの上に見慣れない字で書かれた置手紙がある。

『起きたら鍵を取りに来い。上原』

「上原って……司先輩? ってことは、ここまで運んでくれたのは司先輩ってこと!? うわぁ、大変だぁ!!」


 アメフト同好会に入部して、まだほんの数週間――――早くも解雇の危機みたいです。



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