神様への質問【完】

神様への質問 /15 別れ


 窓の外が、少しずつ明るさを増していく。


 シンがぐっすり眠っているのを確認して、そっとその腕の中から抜け出した。



 まだ薄暗い室内で、目を凝らしながら荷物を集め始める。


 キッチンに置かれたペアのマグカップ。


 仲良く並んだ携帯の充電器。


 寄り添うように立てられた、二本の歯ブラシ。


 確かにこの家に二人で暮らしていたという証拠が、一つ一つ減っていく。


 最後にテーブルの中央に置かれていた写真立てを手に取ると、キッチンの隅の邪魔にならない場所にそっと移動した。



 これで、荷物は全部片付いたよね。


 あとは……シンが目覚めた時、驚いて私を探さないで済むように、手紙を書き残していこう。


 シンの仕事の荷物が置いてあるところから一枚紙をもらい、椅子に座って書き始める。


 また溢れ出した涙が紙の上に落ちてしまわないように気をつけながら、さっきまでずっと考えていた言葉をそこに記した。




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