神様への質問【完】

神様への質問 /16 帰宅


「ただいま!」


 10日ぶりの我が家のドアを開けて呼びかけると、パタパタというスリッパの音と共に、満面の笑顔のお母さんが部屋を飛び出してきた。


「お帰りなさい、沙良!」


「お母さん、これお土産。あぁ、やっぱり疲れたぁ」


 空港で買った荷物を渡し、靴を脱いで玄関に上がる。


「近いようでけっこう遠いものね、疲れたでしょう? 少し部屋で休む? それともお茶でも入れましょうか?」


「大丈夫だよ。お茶を入れてくれる?」


「えぇ、もちろんいいわよ。さっきね、沙良と食べようと思って龍さんの所に寄ってケーキを買っておいたの」


 お母さんが笑顔でノワローの名前の入ったケーキの箱を取り出してくる。


「わぁ、嬉しい! 龍さん、一人で忙しそうだった?」


「そうね。まぁ、そこそこお客さんは入っていたけれど、龍さんマイペースで動じない人だから大丈夫なんじゃない?」


 お母さんがクスッと笑う。


 確かに、龍さんはどんなに忙しい時でも焦った様子を見せたことがない。


 出発前に『何とかなるさ』って言っていたけれど、きっと本当に何とかしてくれたんだろう。


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