僕らアメフト同好会 短編集【完】

短編集 /第5話 遠距離恋愛


香奈視点となります。


 飛行機が定刻通りに着陸し、滑走路をゆっくりと移動する。

 やがて完全に停止してシートベルトのサインが消えると、逸る気持ちを抑えつつ、出口へ向かう人の列に加わった。


 ――先輩、もう来てくれているかな……?


 到着ロビーが見える位置まで来て、素早く先輩の姿を探す。

 自動ドアの向こう。スーツ姿の先輩と目が合って、思わず頬が緩んだ。


「あの、お久しぶりです、先輩」

「あぁ」

 相変わらずのそっけなさ。短い言葉一つで感動の再会シーンを終わらせてしまった司先輩が、私の荷物へと手を伸ばす。

「あっ、大丈夫ですよ?」

「いいから」

「……ありがとうございます」

 先輩が荷物を手に歩き出した。


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