僕らアメフト同好会 短編集【完】

短編集 /第2話 香奈の番犬


夏合宿から数か月後のお話。
引き続き咲良視点です。



 秋の風が心地よい、ある休日。

 広いグラウンドを見下ろせる芝生の上まで来ると、真剣な表情で練習に取り組む部員たちを眺め、腰を下ろした。


「はい、ラスト一本!!」

「さぁ行こっ!!」

「フォースリー、フォースリー!」

 様々な掛け声が飛び交い、オフェンス陣とディフェンス陣がにらみ合う。


「セット、ハットハット!」

 クォーターバックのコールを合図に、選手たちが激しく衝突する。

 そこにできたわずかな隙間を目指し、ボールを持った小太郎君が突っ込んで行った。


「ピーッ!」

 香奈ちゃんのホイッスルの音を合図に、重なり合うように倒れていた選手たちが次々と立ち上がる。

 一番下にいた小太郎君も素早く起き上がったのを見て、ほっと胸をなでおろした。



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