僕らアメフト同好会 短編集【完】

短編集 /第4話 釣り対決part2


番外編第四弾。小太郎視点です。


 まだ肌寒さの残る4月初めの土曜日、早朝4時――。

 大学近くの香奈ちゃんのマンションまで車で向かうと、すでに外に出て待っていた香奈ちゃんが笑顔で手を振ってきた。


「おはよ、香奈ちゃん」

「おはよう、小太郎」

「乗りなよ」

「うん、お邪魔します。……あ、ここに乗っちゃったら咲良ちゃんに悪いかな?」


 助手席に座ろうとした香奈ちゃんが、ふと顔を上げて聞いてくる。

 色んな意味で鈍い香奈ちゃんは、変なところで心配性だ。

 半年ほど前に付き合い始めた俺の彼女は、香奈ちゃんの親しい友人でもあるというのに。



「いや、今日は咲良来ないし、元からそんなの気にするような子じゃないだろ」

「そっか。咲良ちゃんって見かけによらず体育会系だもんね。そんな些細なこと気にしないか。じゃあお邪魔します」

 香奈ちゃんが安心したように笑って助手席に座り、ドアを閉めた。



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