蜘蛛の巣

000.蜘蛛の巣 /000.prologue



季節は冬。
雪がちらついてあたりは白というより、都会の町並みは灰色。


少し道を曲がれば大通りの街中へ行けるようなこんな場所の雪は踏み荒らされることもなく、


都会で積もった雪なんて綺麗でもなんでもないけど、薄く幕を張るように積もったそれらを最初に踏むのはやっぱり気分がいい。


寒い季節は苦手だけど、子供じみた楽しみってもんは大人になっても変わらないもんだ。


なのになぜ、あたしが一番に踏んだ雪は所々血痕が飛び散った状態になっているのか…。


どうしてあたしの目の前では今日も全身真っ黒な人が当たり前に立っているのか。


0
  • しおりをはさむ
  • 123
  • 15706
/ 493ページ
このページを編集する