彼氏から異常に愛されています

所有権

「っ……んっ」


部屋に入った途端、壁に身体を押し付けられ声を発する前に唇を塞がれてしまう。

苦しくて唇を離そうとするけれど、後頭部に手を添えられてすぐさま塞がれてしまう。


(苦しい……)


思わず大翔の服を掴んでしまう。
涙が頬を伝った瞬間、漸く唇が離れた。


「ははっ。泣いてる。苦しかった?」

「っ……」


親指で涙を拭われる。
分かってて聞いてくるなんて酷い。
ムッとして大翔から顔を背ける。
そしてわざと唇を袖で拭いた。


「うわ、傷つく」

「……苦しかったから」

「だろうね。わざとだから」


ニッコリと悪気もなく微笑まれ、顔を顰めてしまう。
何か言い返した所で、大翔にダメージを与えられると思えなくて小さくため息をつくことでなんとか抑えた。


「今日は何処に行こうか」

「えっ、外に行っていいの……?」

「なーに、それ。まるで俺が優香のこと閉じ込めているかのような言い方じゃん」

「そ、そういうわけじゃないけど」


まさか大翔の方から出掛けると言われるとは思わなくて目を見開く。
基本、大学に行くこと以外、外に出ることを良く思わない大翔だから……。

でも、せっかくの外出だ。思わず子供みたいにはしゃぎたくなってしまう。


「……むかつく」

「えっ?」

「だって俺と二人きりで家にいるより、外に出る方が嬉しいって顔してる」


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