彼氏から異常に愛されています

痛みと恐怖と

【真由side】

『逃げようとしたって無駄だって』


必死にその手から逃れようとするのに、簡単に腕を掴まれて拘束されていく身体に涙を零す。
どうして私はひ弱なんだろう。
嘲笑うかのように簡単に捕まえられて、そして気づいた時には自由なんてなかった。



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ーーーーーー


「……ゆ、真由!」

「うあ!?な、何?」


ハッと見ると、呆れた顔をした親友の美麗が真正面に立っていた。
眉を上げて訝しげに見つめてくる。


「何回も呼んでたんだけど?」

「えーごめん。気づかなかった」


苦笑いをすると、ため息をつかれた。
口許を手で隠し真っ直ぐに見てくる美麗から目を逸らす。


「最近ぼーっとしてること多いけど、何か悩みあるの?」


……確かにぼーっとしていることが多くなったと自覚している。
だけど、美麗にバレるわけにはいかないので笑って誤魔化してきた。

こんなことだれにも言えない。
親にだって言えないのに。

鈍い痛みを感じるお腹に目線を落とす。


「ごめん、何もないの」

「真由、本当のことを、」

「本当に何もないのよ。美麗、ほら次の授業始まるよ」


壁にかけられている時計を指さすと、美麗は諦めたように席に戻っていった。
美麗を巻き込むわけにはいかないし、これは自分の問題だ。

ケイタイが振動をし、ハッとして見ると連絡が来ていた。思わず唇を強く噛む。


なんでこんな……。
泣きたくなるのをぐっと堪え、ケイタイを隠すようにカバンの奥へと押し込んだ。



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