彼氏から異常に愛されています

危険因子

一瞬何を言われたのか分からなかった。

固まる私に目の前の鮮やかな紅の口紅をつけた彼女は確かにそう言った。


「大翔くんのこと好きじゃないなら、私にちょうだい」

「え……?」

思わず掠れた声がもれる。
妖艶な笑みを浮かべ、更に近づいてくる。
美人、まさしくその言葉がぴったり当てはまるであろう彼女は小さく首を傾げ笑った。


「要らないんでしょう?私は彼がずっと好きだったの。だから別れさせてあげる」

その言葉に、大きく目を見開いた。


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ーーーーーー


その彼女が現れたのは大学の講義が終わっていつものように大翔の迎えを待っている時だった。
影が私を被さり、大翔だと思い顔を上げると。

そこには見知らぬ女の人が私を見つめていた。
誰、この人……。
全く知らないというのにじっと、見つめられては気味が悪くて慌てて目を逸らす。

だけど、彼女は立ち去ろうとせずに私を見つめている。

一体何の用だと言うのだろう。


「あの、私に何か用でしょうか……」

「あらごめんなさいね。ついジロジロ見っちゃったわ。こんな平凡な女に私の好きな人が奪われたかと思うと腹が立って」

「え」


にっこりと微笑まれたと思ったら内容がきつい。
驚いて彼女を見ると、冷たい目をしていた。
ドキッとした。
冷や汗が背中を伝うようで、無意識に後ずさる。


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