彼氏から異常に愛されています

同じ立場、環境

【真由side】

「あ……」

ふと実くんがいない隙に服を買いたくて出かけると、前に見たことがある女の人がうんざりとしたようなため息をついていた。

確か……実くんの友達だという人に連れられていた女の人だった気がする。
そろ、と1人なのを確認して彼女に近づいて行った。


「あの、」

「えっ!?」

声をかけるとびっくりしたのか目を驚きで大きく見開いていた。
やっぱりあの時の人だ。

「あ、あの時の子だよね」

彼女はふとハッとしたように聞いてきた。
覚えてくれてたんだ……。なんだか嬉しくて元気よくはい、と言ってしまった。


「あれ、1人なのかな?」

「あー……その、実くん……あ、あの時いた彼なんですけど、いない隙に出て来ちゃったんです」

「……ああ。あの時腕を凄い引っ張られてたけど大丈夫?」

「はは。しょっちゅうです。だから、実は痕だらけなんですよね。友達にもあまり腕とか見せられなくて」


思わず呟くと、女の人が悲しそうに微笑んだ。
憐れむわけでもなく、何処と無く優しく見守るかのような笑みに、ほっと安堵する。


「あの、1人なんですか?」

キョロキョロと辺りを見渡してもあの時の彼がいない。
ふと疑問に思って尋ねると、深いため息をつかれた。

何だろう、凄く疲れているって感じだ。


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