彼氏から異常に愛されています

似たもの同士

気怠い講義を聴きながら、ペンを回しているとそのペンを取られた。
あ?と苛立った声を小さくあげると、そこには悪戯な笑みを浮かべた悪友の実の姿。
その顔、すげー腹立つ。イラッときたので、実の腕を抓ってやった。


「痛っ!?痛てて、おい、それは卑怯だろ!」

「……五月蝿い。喚くな」


実が騒いだせいで前に座っている奴らが何事かと振り返ってくる。
注目されていることに煩わしさを感じて、実の首元にペン先を当てた。
ピシッと固まる実に口端をあげる。

「黙ったな、よーしよし」

「怖っ! 普通、親友にそんなことする!? っか、普通の奴はやらねぇよ! それを許すのも俺だけだからなっ」

「五月蝿い。本当に刺すか?」


折角黙ったと思ったら、小さな声で騒ぎ出したので顔を顰める。
こいつ、ほんと話してないと生きていけない奴なんじゃないか?


「はいはい分かったよ、分かりましたっ。ってか、聞いてくれよ、大翔!」

「お前、言った傍から……、って、あ?」

ずいっと目の前に出てきたスマホに不覚にも驚く。
待ち受け画面に写るのは、笑顔を浮かべている女の姿。

「誰だ、この女」

「この女って、この前見ただろ? 俺の女だって! つか、この女って言うな。可愛いだろー」

「へぇ、あっそ、ふーん」

実の言葉に何となく思い出した。
勝手に優香の手を握った女か……。


「そう言えばあの時、俺の優香に勝手に触ったよな」

「はぁ? 別に女同士だし手ぐらい、いいだろ」

「あ? 女だろうが関係ないだろ」


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