Caramel Praline

absense









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「ねえーひまぁー」







静かな部屋に間延びした声が響く









殺風景な部屋だからかその声はよく通ったのに、反応を示すものはいない










少なくともこの空間にあと二人はいるはずなのに、一人は手元のゲーム機から目を離さず、もう一人はフードを深く被ったままだ








見事に無視されたのが不服なのか声の主は口を尖らして、ソファに座りながらゲーム真っ最中の男の後ろに回り込む





そのまま見下ろした位置にある肩をつかんで前後に揺らすと振動で四角く小さな画面がぶれる








「‥‥おい、退け」






「だって暇なんだもん、なんかおもしろいことないのお?」







わかりやすい妨害にあって強引に集中を途切れさせられた男はうっとおしげに横目で女を睨み付けるが、怯みもせずに口をとがらせる







「ねえよ、んなもん。‥‥うぜえから離れろ」





「やーだ」








ドスのきいた声に構わず後ろから同じ色が組合わさる度ブロックが消えていくゲーム画面を眺めている




しかししばらくするとそれにも飽きたのか、どうしても反応が欲しいのか、抵抗するのを諦めた男にちょっかいをかけ始めた









「ねーねーねー、遊ぼうよ」






「ウザい」





「ひどーい、ちょっとくらいいいじゃん。やることないしさー」






「勝手になんでもやればいいだろ」






「一人じゃつまんないじゃん!なんかさーしよーよお」






「‥‥‥‥」





「ねえー!」








最終的に返事すらされなくなったことに頬をふくらまして不満を示す



なんとかして関心をひきたいらしい。




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