Caramel Praline

すこし前の話
















嫌な会話を聞いてしまった









別に直接的な悪口でも嫌味でもなんでもない





ただ、ふわふわとした言葉の中に小さな棘が幾つも潜り込んでる気がして、
肺が押さえ付けられたように息苦しくなり教室から逃げ出した









「…おい、桜か?」








先生に見つからないようこそこそ隠れ場所を探していた時に突然かけられ、びくりと肩が上がる






恐る恐る振り向くと、そこには今一番会いたくない人がいた







「…佑月」





「こんなところで何してるんだ、もう授業始まってるんじゃないか?」





「あ、えーっと」






訝しげに見つめられて思わず目を泳がせる







ああもう、どうしてこういう時に限って会っちゃうんだろ






いつもはまともに学校にも来ないくせに!






「もしかして具合でも悪いのか、なら保健室に行かないと。同じクラスのやつは何をしてるんだ」





言葉とともに鋭くなる目付きを見て、言い様のない焦りが沸く





「だ、大丈夫だよ!ちょっと…ボーッとしてただけだから!」






「…そうか?」




まだ疑ってくる目の前の男に全力で頷く





あのままにしておけばこの人は確実に教室に乗り込みにいった







冗談じゃない!山火事に強風を送るようなものだ



















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