甘いカラダ 【完】



壊されてしまったラジコンを抱えて、潤はアタシの元へ泣きながら歩いてきた。


潤は、助けなかったアタシを責めない。


責める勇気がないからじゃない。


潤は優しいから。


「お姉ちゃん、帰ろう」


しゃくりあげながらそう呟いた潤に、アタシも泣きたくなる。


優しい潤が、本当は大好きだった。


でもいじめることしかできなかった。


「ばーか。チビ。だっせぇ」


アタシはそう言い捨てて、スタスタと歩き出す。


潤はまた、必死にアタシの後をついてくる。


小さな潤の涙に、アタシの胸は壊れそうに痛くて。


潤に追いつかれないように早足で歩きながら、顔中を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにしながら声を殺して泣いた。






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