甘いカラダ 【完】

lesson.4 /仮面の執事

夕食後、寝る準備を整えたアタシの部屋に来た如月は、昼間に一瞬見せた悲しい瞳を微塵も感じさせない、いつもの如月だった。


あの悲しみをたたえた瞳を見てしまったからか、目の前にいる光を宿さない瞳の如月は、無理に仮面を被っているように思えてしまう。


きっと、そう思いたいだけなんだろうけど。


冷徹でクールなその仮面の下に、優しい如月がいるって。


そうじゃなきゃ、アタシの頑ななこの心を動かせるはずがない。



でも、現実は無残にもそんなアタシの願いを打ち砕く。



「本当に、司様には困ったものです」


如月は暗闇の中で囁く。


隙のない、上辺だけのような笑みを浮かべて、アタシのカラダに手を滑らせた。









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