甘いカラダ 【完】

差し入れはジュースだけなら可能。

ただし、面会中に飲んでしまわなくてはいけないらしい。


自販機を眺め、潤が好きだったりんごジュースに手を伸ばす。


でも潤はもう16歳だ。


あの頃のような子供じゃない。


コーラとかのほうが喜ぶかな。


コーヒーは……潤は飲めんのか?


でも。


アタシの手はりんごジュースから動かない。


昔、りんごとオレンジで喧嘩になりそうになったとき、潤はりんごジュースが大好きなのにアタシに譲ってくれた。


アタシ、本当はりんごだろうがオレンジだろうが、どっちでもよかったんだ。


ただ、潤を困らせて「お前の思い通りにはいかないんだよ」って懲らしめてやりたかっただけだった。


痛む胸を押さえつつ、りんごジュースを1本買った。


潤、アタシさ、貧乏だけど今ならあんたにりんごジュースたくさん買ってやれるよ。



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