暴君総長さまのヒミツの恋人

紅帝の麗人 /冷徹な彼

◆◇◆




「犀川、次のページから読んで」

「はい、」



先生に指されて、席を立つ。



「…行く川の流れは絶えずして、」



私が教科書を読み始めた途端、周りからはクスクスと笑い声が聞こえてくる。




「犀川マジでダセェ」

「なんだよ、あのダサさ。半端ねぇな、膝下スカートに黒縁眼鏡って」

「クスクスっ、男子言い過ぎだし〜」

「ぁあ?!お前らは思わねぇってのかよ」

「まぁね〜…、一緒には歩きたく無いって言うか?」

「ギャハハハハッ貶してんじゃねぇかよ!」




「コラッ!そこ、静かにしなさいっ!!」

「うるせぇよ、柴セン黙れっ」




ガシャァァン!




先生に注意された事に腹を立てた男子生徒が机を蹴り倒して怒鳴る。

それを見ていた周りの生徒も、それを囃し立てるように声を荒げ始めるのが最近のお決まりのパターン。



……ハァ

今日も授業は中止かぁ。


私は音読を止めて席に座った。

怒鳴られた柴崎先生は、おどおどとしながらも懸命に注意し続けてて、ちょっと気の毒な位。


入学して、早半年。

夏休みを挟んで更に悪化した生徒の不良具合が、最早学級崩壊並みに拗らせてる。



この高校は今年1年で、所謂不良高になってしまった。


元々の偏差値は低く無いものの、とある事情で不良の生徒数が増えてしまい、今年から随分と荒れてしまったのが原因だった。



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