暴君総長さまのヒミツの恋人

怒濤の萌芽 /姫と彼女の違い

「ゆず、とりあえずお昼ごはん食べようか」

「うんっ、れー何食べたい?」



始業式を途中で抜けて来た私達。

向かってるのは繁華街で、中央駅のロータリーで車を降りた後、玲と手を繋いで歩いてる。

もちろんシンさんもスマホを弄りながら後ろを付いて来てるから、このまま3人で一緒に食べるんだし、シンさんにも食べたい物聞かなきゃね、


「シンさんは……?」


振り返って尋ねる私を覗き込んだ玲は、

「あいつは何でもいいんだよ。柚瑠の食べたい物にしよ?初制服デート記念なんだし、ね」


なんて言う。
初制服デート記念って。
玲の発想って可愛いところあるよね。


そんな玲の傍若無人な態度をこれっぽっちも気にする事無く対応してるシンさん。


「せっかく柚瑠ちゃんが俺に聞いてくれてるのに、ミヤは何でも良いって片付けるんだね。…ふぅん」

「チッ 何でも良いだろうが」

「……ふぅん。」

「……、何だよ」

「え?もしかして俺にも聞いてくれてるの?」

「さっさと言え」

「ふふ 柚瑠ちゃんは何が食べたい?」



……え、結局?

でも私に聞かれてもなぁ…。


「うーん、実は外食とかあまりしたこと無いから何が食べたいのか思いつかないんだ…。お店屋さんも知らないし」


今までは玲とデートもして無かったし、加奈ちゃんと遊ぶ時はパンケーキやファストフードで軽く食べる位だったから。


「そっか…。そうだったね。じゃあ俺がオススメのお店で良いかな?個室なんだけどね」

「む。なんでお前が決めるんだよ」

「玲は食べたい物あった?」

「柚瑠の食べたい物食べたい。」


……無いんだね。


「じゃあ私、シンさんのオススメのお店行ってみたい!だって次から玲と2人でも行けるでしょ?」

「2人……」

「うんっ、また玲とデート出来るよね?」

「ふふ もちろん。これからはたくさんデートするよ。そっか、…じゃあそこに行こう」


ニコニコとそう言った玲を見て笑いを堪えきれなかったシンさんが、顔を背けて肩を震わせてた。


…そんなに玲って面白いかな?

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