暴君総長さまのヒミツの恋人

涙を了う /椿

◆◇◆


ん……、なんだか身体が怠い。

風邪でもひいちゃったかな…、そう思って瞼を開けると、目の前には玲のどアップがあって。


「っ、わわっ」

驚いて、声が出ちゃったよ。


私の声で目を瞑っていた玲がパチっと目を開けると、安心したように微笑んで、それからギュッと私を抱き締めた。

「良かった、ゆず…、本当に良かった」


えー…?どうしたの?



んーと……、あ、そう言えば…薄っすら思い出して来たかも。


確か玲の計画で拉致されて、廃屋で谷垣くんやリーダーの男の人に…


「っ、」


私っ、あれからどうなっちゃったんだろう。

身体がおかしくなって。
すっごく気持ち悪いはずなのに、声が出ちゃうほどぞくぞくして……、

えっ、それからの記憶がない…。


あの時の絶望感が蘇る。
もうダメだって。
このまま穢されるんだって思って。

どうなっちゃったんだろう……?


パニックになって、涙目の私に、玲は微笑みながら教えてくれた。

「ゆず、大丈夫。何にもされてないから。その前に迎えに行けたから、大丈夫。安心して」

「っ、本当…?」

「もちろん。覚えてない?ケイが柚瑠の名前呼びながらさ、男に飛び蹴りしたんだよ」

「あっ、…そう言われてみれば」


そうだ。
「柚ちゃんッ!柚ちゃんから離れろッ!!」
って、谷垣くんに飛び蹴りしてくれたんだ。


「ふふ 思い出した?」

「うんっ、え、あれからどのくらい時間経ってるの?」

「ん?2時間弱かな」

「どうなったの…?」

「取り敢えず、塔矢とマサと、廃屋にいた奴らは拘束してるよ」

「玲は行かなくていいの?」

「もちろん、行くよ。でも柚瑠を1人にさせたくなかったから。どう?身体の具合は」

「えーっと、ちょっと身体が怠いくらいだけど」

「良かった…ヘンな薬盛られたみたいで、柚瑠がちょーエロい声出すから、心配だったんだ」

「ぇえ?!」


エロい声って……?!

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