暴君総長さまのヒミツの恋人

紅帝の麗人 /クリスマスは?

◆◇◆


「おかえりっ!玲っ」

「んーっ、ただいま。ゆず、バイトどう?今日も何もなかった?」


玄関先で玲に飛びつく私を軽く抱きしめながら、毎回こうして心配そうに聞いてくれるんだ。

玲が約束通り探してきてくれたバイト先は、女の子に人気のスウィーツのお店なんだけど、繁華街のある中央駅から少し入り組んだ小径を進むとポツリと佇んでる隠れ家みたいな可愛い建物で、知る人ぞ知るって言うか。

口コミで聞いた人が、道に迷いながら来るって感じなんだよね。


だから、スタッフもマスター以外は女の子だけだし、お客さんも女の人ばかり。
たまに男の人も来るけど、大抵彼女に付き合わされて居心地悪そうにコーヒー飲んだりしてるだけなんだ。


そんなカフェで週に何日か、平日は夕方4時から8時までの4時間と、週末の1時から8時までって約束で働かせて貰うことになって。

働き始めてもう直ぐ1ヶ月半経つんだよね。

なのに未だにバイトの日は、同じ質問を心配そうにしてくる玲に流石に苦笑いだよ。


「今日も何もなかったよ!そういえばね、バイト先で仲良くなった女の子が居るって言ったでしょ?玲、覚えてる?」

「勿論覚えてるよ。確か美優って名前の子だよね」

「うん!美優ちゃんすっごく可愛くて優しくて綺麗なんだよ!!」

「そう?俺は柚瑠が誰よりも可愛くて優しくて綺麗だと思うけど」

「んもうっ、そうじゃなくてっ」

「ふふっ 分かってるって、ごめん。柚瑠が可愛いからつい、ね?」


私の頰に指を滑らせて、物凄い色気を爆発させながらそんな事言うもんだから、顔が真っ赤になっちゃった。



0
  • しおりをはさむ
  • 629
  • 732
/ 353ページ
このページを編集する