氷の華が咲くよ(短編7/10完結)

氷の教会

凍り付いていく教会。

どんどん、教会の温度が下がっていく。

それは、私のせい。

私が生きてここにいるから。

トーマスさんは、それでも私に側にいなさいと言ってくれた。

ステンドグラスが、今日も光を受けて綺麗に荘厳に輝いている。

聖母マリア像を見上げて、私は祈った。

トーマスさんが、元気になりますように。

トーマスさんは、神に祈りを捧げると、私の悲しみを癒すように、聖書をそっと開いて、私に読んで聞かせてくれた。

私は、そんな経験は、父様が生きていた頃の母様に絵本を読んでもらったこと以降のことで。

嬉しくて嬉しくて。

「ひっく、ひっく」

泣いてしまった。

「如何して泣くのですか、レイエル」

「だって、だって。優しいから。トーマスさんが、私を人として扱ってくれるから」

「当たり前でしょう。あなたは神から命を授かった、人間です」

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