異世界転生~姫の中身はおっさん~

聖地への道のり

シルルアージュは瞼を開けた。

体が重い。頭が痛い。思うように体が動かない。

どうやら、かなりの高熱を出しているようだった。意識が途切れ途切れでぼんやりする・・・。

父エドカインが、シルルアージュの右手を握りしめていた。

「シルル、しっかりするのだ!絶対に、死んではならんぞ!」

どうやら、相当の重体であるらしかった。
左手には、点滴の管が繋がっている。

「父様・・・・・僕は、どうなるの?」

「今日が峠だそうだ・・・いいか、生きるんだぞ、シルル!」

エドカインは、ぎゅっと年齢にしては小さな、しかし剣だこができている白い手を握った。

そうか。今日が峠か。ここで死ぬようならば、それまでということだ。

死ぬ気なんてないけどね。意地でも生きてやる。

シルルアージュは、また目を閉じた。

今度は、夢もみない深い深い眠りへと落ちていくのだ。

(我を夢の中に召喚するせいだ)

子猫の和人に宿ったレイティアは、意識を集中させ、シルルアージュに古代の回復魔法を音もなくかけるのであった。

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