異世界転生~姫の中身はおっさん~

シルルの時間 /アイリーンの時間

アイリーン。

それは、今は魔太子と名乗る東の魔王ナルドこと、ナルド・エ・アレクシエル・アクラシエルの永遠の想い人。

人間と天使のハーフであった少女である。

今をさかのぼること6千年前。

東の魔王ナルドと、北の魔王ラシエルは、一人の人間の少女アイリーンという、天使の血を引きし末裔を取り合った。

アイリーンが心惹かれていたのはナルド。

でも、ラシエルのことも心惹かれていた。

どちらか選べと選択されても、すぐには答えは出なかったであろう。

「選べ!」

ラシエルは、時にそう無理強いをした。

そのたびに、アイリーンは悲しそうに瞳を潤わせて、首を横に振ったものであった。

「ごめんなさい。僕、まだどちらかなんて選べない」

アイリーンは、少女であるが、自分のことを僕という、少しおてんばな子であった。

行動も、どこか少年じみていた。

姿形だけではない。そんな変わったところに、ナルドもラシエルも魅かれたのだ。

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